日系ブロガーのススメ。

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シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 10 【ついにシンガポールへ 3】

 

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予想に反して、
仕事はたった3日であっけなく決まった。

シンガポールの中心地にある、
大きくてピカピカのオフィスビル内の、
一流と言われる金融関連企業での仕事だ。
しかも、正社員

日本の田舎の工場で、
作業着を着て派遣をやっていた私が、
こんなところで働けるなんて‥‥
クラクラと目眩がするほどの好条件だった。



仕事が決まった後の7日間、
私はずっとさくらちゃんと一緒だった。

さくらちゃんはシンガポールの色々なところに私を連れて行ってくれた。
アラブストリートで初のシーシャを体験させてくれた。
バクテーも食べに行った。
マリーナベイザンズの屋上でワインも飲んだ。

彼女は何か、不思議なエネルギーを持っている人だった。
決して、「明るく素直で、キャピキャピ~!!」
という種類のエネルギーではない。

でも、
「この人といると私の人生に楽しいことが起こりそう!」
そんな予感を感じさせる何かを持っているのだ。



さくらちゃんはちょっと個性的なファッションで、
いつも気だるそうに歩く。
そのくせ、彼女の語る言葉には活き活きとした生命力が宿っていた。

決して饒舌というわけではないのに、
彼女が語る言葉はまるで物語のようで、
気づくとじっと聞き惚れてしまう。
途中で口など挟めなかった。

「私の今の生活は、ものすごく幸せなの」
いつだって何のためらいもなく、
彼女はそう言い切ってしまう。

これほどまでにはっきり自分の幸せを認識している人に出会うのは、
私にとって初めての経験だった。

「でも、ここに来るまで、私にも紆余曲折があったのよ?」

さりげなくそんなことも言っていたけれど、
彼女の人生に今までどんなことがあったというのだろう。
まだ若干28歳だというのに。

ちょっと本気で年齢を疑ってしまうほど、
彼女の言葉には重みがあった。

こうして私は、
すぐにこの不思議な女性の魅力のとりこになった。
10日間の滞在が過ぎるのは、本当にあっという間だった。