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日系ブロガーのススメ。

日本人だけど英語ブロガーなNinja Girlsです。あなたも日系ブロガーはじめませんか?

シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 18 【初の協力者】

<はじめての方はまず目次からどうぞ>



キョロキョロと、何かを探すように歩いてくる一人の男性。
エディだった。


バーのテラス席に陣取る私たちを見るなり、
目を丸くしながら近づいてくる。


「わーお!
君たち、すっごく目立ってるんだけど!!
どうしたの??」


ビックリした彼の顔を見て、
私は何だかドッキリに成功したような気分になった。
ニヤニヤしながら、彼の顔を覗き込む。


「ビックリさせてごめんね?実はね‥‥」


私はこの「有名になる」というプロジェクトのこと、
その手段としてのブログのこと、
ブログのネタにするためのこの格好のことなどを手短に話した。


彼は相変わらずビックリした顔をしていたけれど、
同時に私たちの「有名になりたいプロジェクト」に興味を持ったようだった。


「すごく面白いアイデアだと思うよ。
なんなら、僕のカメラで君たちを撮ってあげようか。
それをブログにUPしたら良いんじゃない?」


話を聞き終えた彼が、満面の笑みでそう言った。


「え?ほんとに?いいの?」


同時に聞き返す、さくらちゃんと私。


プロが撮影した、クオリティの高い写真をUPしたら、
きっとすごく見栄えがすることだろう。
こんなに嬉しいことはない。
頑張ってアゲ嬢(アラサー)になった甲斐があるというもの。


私たちは、二つ返事で申し出を受けることにした。



「キミたちを最高にクールに撮ってあげるよ!
大丈夫、僕のカメラ超高性能だから!」


人でごったがえす、シンガポールリバーのほとりに、
怪しげな3人がいた。


ゲイシャ風着物を着た、
最高にクール(なはず)な2人のジャパニーズガール。
それを写真に収めようと、
時には地べたに寝そべりながらシャッターを押し続ける、
熱心なフォトグラファー。


道行く人々が、物珍しそうな顔で私たちを見ている。
もしかしたら、雑誌の撮影でもしていると思ったのかもしれない。


いわゆるモデルと呼ばれる人たちって、こんな気持ちなのかな?
緊張と恥ずかしさの中でぎこちなくポーズをとりながら、
私はそんなことを思った。


「そう、もう少し顎を引いて。
目線は向こう側に。
そうそう、いいねー!
最高にクールだよ!」


さすがプロのフォトグラファー。
エディにとっては、モデルをノセるのもお手のものだ。
彼のおかげで、最初はうまくポーズを取れなかった私たちも、
だんだん撮影を楽しめるようになっていった。


バーのテーブルで、川べりで、人が行きかう交差点で‥‥


私たちは転々と場所を移動しながら、
その場所その場所で思い切り撮影を楽しんだ。



「ありがとう、エディ!」


撮影が終わった時には、深夜12時をとうに過ぎていた。
撮影の仕事で疲れているのに、
私たちの分を無償で撮影してくれるなんて、なんていい人だろう。
私は本当に感激していた。


「いいんだよ、僕もすごく楽しんだし。
撮った写真、僕がフォトショップで修正しとくよ!
肌をちょこっと滑らかに、
目をすこーしデカく修正しといてやるから!w」


仕上がりを見るのが楽しみで、さっそく顔がほころんでしまう。
更に彼は、こんなことを言って私たちを驚かせた。


「僕、Ninja Girlsの公式フォトグラファーになるよ。
撮影する時はいつでも呼んでくれよな。」



話ができすぎてないか?たしかに一瞬、そうとも思った。
まだ方向性もあまり決まってない怪しげなガールズユニットに、
公式フォトグラファーがつくなんて。
しかも、活動一日目にして。


でも、これって神様からのプレゼントなのかも。
頑張って、恥ずかしさを押し殺して、
アゲ嬢になったご褒美なのかも。


結局私たちはエディの申し出をありがたく受け、
彼はNinja Girlsの公式フォトグラファーになった。



今思えば、この頃の私は今より純粋だったのかもしれない。
いい意味でも、悪い意味でも。


記憶を振り返ってみると、この時さくらちゃんは少しだけ、
笑顔の中に困ったような表情を浮かべていた気もする。


けれど私はこの時まだ、
そんな表情を読み取れるほどには彼女をよく知らなかったし、
エディのこともよく知らなかった。
ただただ純粋に嬉しかった。