シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 63 【忍者、脱ぐ。】
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「脱ぐのよ。」
そう言ったさくらちゃんの言葉を、私は大して本気にしていなかった。
どうせお酒の席で言ったことだもん、って。
でも、どうやらそれは私の計算ミスだったみたい。
「いろいろ考えてみたんだけど、やっぱり良いと思うんだよね。
ほら、AKB48のヘビーローテーションのPV、観たことある?
ああいう可愛らしくてポップなランジェリーフォトって素敵だと思うんだよね。
エディにそういうの撮ってもらって、ブログのトップページに貼り付けるわ!」
一夜明けたさくらちゃんは、ことも無げにそう言ってのけた。
貼り付けるわ!って、
おまえ何勝手に決めとんじゃーいっ!
★
正直私はビビっていた。
だってランジェリーって、下着のことよ?
誰もがアクセスできるインターネット上に、
自分の下着姿を晒すなんて‥‥
会社の人が見るかもしれない。
親が見るかもしれない。
てか、その前にあたし、
ぜんぜん脱げる身体じゃねー!!!
でもね、その一方で‥‥
撮られてみたい、って気持ちも、湧いてきたのは事実。
女の子だったらさ、一生に一度ぐらいはさ、
とびきりセクシーな自分の姿を晒け出してみたい、
なんて思ったりしない?
そんな両極端な気持ちの狭間で私は揺れていた。
でもね、さくらちゃんの構想を聞いてるうちに、
やろうっ!て決意できたんだ。
そして驚くことに、他のメンバーもみんな脱いでくれることになった。
あたし、この時ほど皆を頼もしく思ったことは無かったかもしれない。
みんな、フツーの、一般の、社会人なんだよ。
別にグラビアアイドルみたいな体型の子もいないし、恥ずかしがり屋の集まり。
けど、私たちは全員が、このプロジェクトに心から打ち込んでいた。
みんなの心がひとつになった気がした。
やってやろうじゃないの、下着でも水着でも。
何も残らなくたって、みんなで頑張った思い出だけは、絶対残るわけだしさ。
★
実際に撮影してみると‥‥
うふふ、うふふふ。
実はとってもとっても楽しかった!
ちょっとグラビアアイドルに近づいた気分とでも言うのかな。
撮影されながら、やけにハイテンションになってしまった私。
もしも将来結婚して子供ができたら、
絶対マタニティヌード撮ってやる!なんて心に決めちゃったりして。
★
こうやってNinja Girlsブログのトップページは、
私たちのランジェリーショットになったの。
(今は模様替えになってるんだけどね )
トップページにバーンと貼られた写真を見て、
私は心から「やってよかった」と思った。
なんかこう、やりきってるよ。格好いいよ。あたしたち。
でもね‥‥やっぱりこのランジェリーショットは、
私の人生に大きな大きな嵐を運んでくるんだ。
意外なぐらい速いスピードでね。
私が、もっともっと自分の人生と向き合わなきゃいけない、ってこと‥‥
運命だけは、知ってたんだと思う。