シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 83 【試練】
「そうか、そうか。らんちゃん、辛かったね。でもよくがんばったょ。」
ゆりちゃんが、泣いてるらんちゃんを優しくを慰めた。
「大丈夫だよ、らんちゃん。辛い時がずっと続くわけじゃないからね、ぷるんっ!」って。
ゆりちゃんの母性本能あります!キャラには、女の子までメロメロにさせてしまう、魔性の魅力があるんだよね、まったく。
‥‥そして、じっと話を聞いていたさくらちゃんが、ついに口を開いた。
「ぢゃ、こーしよっ!しばらくらんちゃんは、Ninja Girlsをお休みしまーすっ!無期限休業でぇーっすっ!気が向いたら戻っといでー(はあと) 」
な、なんか‥‥軽っ!!
ボロボロ涙を流していたはずのランちゃんも、さくらちゃんの言葉に、一瞬、えっ!?みたいな顔になって、「う‥‥うん。」
と頷いていた。
ついさっきまで、葬式か!?てツッコミたくなるほど、重苦しい雰囲気だったのに。
さくらちゃんの一言で場の雰囲気がいい意味で崩れて、ちょっと和やかになる。
「大丈夫。Ninja Girlsは、今までと同じように進んでいくよ!」
さくらちゃんは、口元に笑みをたたえてサラッと言ってのけた。
★
きっとさくらちゃんには、わかってたんだね。
人間生きてると色んなことがあるって。
必ずしも、いい時ばっかりじゃないって。
大切なのはね、それでも、歩みを止めないこと。手に入れたい何かを、真っ直ぐに見つめ続けることだ、って。
それとも、さくらちゃんは心の何処かで感づいていたのかな‥‥
これから、私たちが沢山の辛い別れを乗り越えなければいけないってことを‥‥