シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 91 【打算】
それ以来、私はエディに別れ話を切り出すタイミングを見計らうようになった。
でもね、別れ話が得意な人なんていないでしょ?私も大のニガテ。出来ればフェードアウトしたい!なんて卑怯なことを考えてしまうぐらい。
それから、更に複雑なことにエディはNinja Girlsの撮影にもずいぶん関わっていた。
ランちゃんとあやさんがNinja Girlsを去った今、フォトグラファーの彼まで失うなんて‥‥痛い!痛すぎる!
そんなずるい打算が私の頭をよぎる。
さくらちゃんは以前から、Ninja Girlsはエディがいなくてもちゃんとやっていけるよ!って言ってた。
でもなぁ‥‥
★
ある日、エディの仕事部屋に入ると、彼はNinja Girlsの撮影で撮った写真を編集している最中だった。
彼はいつも、何十枚、何百枚も撮ったショットの中から写りのいいものをピックアップして、更にそれを加工してくれていた。(加工=Photoshopと呼ばれるもの。シミを消したり、シワを消したり、最近の技術はすごい!)
彼は、ちょうど私の映った写真をピックアップしているところだった。
「俺はこの写真の椿がいいと思う。」
彼が選んだのは、びっくりするほどブサイクな私の写真だった。
「えー、ちょっとこれ、あたしヘンじゃない?もうちょっと可愛く写ってるやつにしてよー。」
「いや、俺はこの写真が好きだ。これにする。」
イラッ!!なんなの、コイツ!
あたしに嫌がらせしてんの?
もー、いやっ!!