シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 103 【新たな構想】
つばきちゃん、がんばってます!
気付くとNinja Girlsを始めてから半年以上が過ぎていた。
昼はオフィスで秘書の仕事、平日の夜と週末はNinja Girlsの撮影。
一日が、一週間が、一ヶ月が、あっという間に過ぎていった。
きっと、こんな風に人生はあっというまに過ぎていくモンなんだな。
私シンガポールに来てからの自分を振り返りながらそんなことを考えていた。
スーツケース1つを抱えて日本から飛び出してきたアラサー女が、
シンガポールの金融業界で働き始め、そしていつの間にやら、
日本人英語ブロガーとして活動を始めてしまった。
このシンガポールでの半年間は、それまでの私の27年分の人生と比べ物にならないぐらい、
エキサイティングで、興味深くて、面白すぎる半年間だった。
この経験を、もっと沢山の人とシェアできたらいいのになぁ。
心の中にうっすらそんな気持ちが芽生えてはじめていた。
★
「つばきちゃんは、これからNinja Girlsとして、どういうことをしていきたいの?」
さくらちゃんからは、常々こんな質問をされていた。
「Ninja Girlsっていうツールを使って自分が何をしていきたいか、考えてね。」とも。
そうそう、さくらちゃんはね、とにかく考え方が建設的でロジカルなの。
彼女の全ての考え方の軸になっているのは
「どうしたらそれを実現できるか一緒に考えてみよう」ってことなんだよね。
決して出来ない理由を探したりしない。
そう、そんなさくらちゃんは、私に沢山の質問を浴びせた。
何をしたいのか
どうしてそうしたいのか
それを実現する為にはどうしたらいいのか
普段ボーっとしてる私にも容赦なくツッコミを入れてくるのがさくらちゃんだった。
★
「『Ninja Girls誕生と成長の記録』みたいなのを日本語で書いてみたら?
つばきちゃんの目線でいいからさ。」
私のボンヤリとした想いを汲み取ってくれたさくらちゃんは、ある日私にそう言った。
「うん!やりたい!」
私は嬉しくなって、二つ返事でOKした。
「ただしやり始めたら、途中でやめることはできないからね。
ちゃんと最後までやり遂げるって約束できる?」
さくらちゃんは、私の性格を知ってて、念押しをしてきた。
げげ、見抜かれている……私が三日坊主であることを……
それでも、やってみたかった。
だから素直にいった。やりたいって。
さくらちゃんはいった。
「よーし、それなら頑張って!私も出来る限り手伝うからね。
でもつばきちゃんメインでがんばるんだよ。こんなこといって理解してもらえるか
わからないけど……」
彼女はいつになく真剣な顔で囁いたんだ。
「つばきちゃんは、物語って現実を基にに創り出されるものだと思ってるでしょ。でもねそれって逆なの。
物語が現実を創っていくこともあるんだよ。もしかしたら、つばきちゃん
書き続けるうちにそんな不思議な体験をするかもね。」
私は、さくらちゃんの言っていることの意味がなんとなく理解できたよ。
私達が生きてるこの世界って実は、私達が頭の中で描いたストーリーが
現実化してるだけなんだよね、きっと。
そしてNinja Girlsのメンバーは全員、私達が紡ぎ出す物語に不可能なんて言葉は無くて、
私たちの想像できる限りの全てのことは、必ず実現していくんだって信じてるんだ。