シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 109 【道は開ける】
「……君の方向性は、間違ってないよ。君は、君がいいと思うとおりにやっていけばいい。」
占い師のおじさんは、さくらちゃんの手相をみながらボソリと言った。
もしかしたら、誰にでもそう言っているのかもしれないど、
その時の私たちはおじさんの言葉に本当に救われた。
ポケットティッシュで『いいね!』をゲットしようとした、
そのアホな行動も、優しく認めてもらった気がした。
「あのー、ついでに私、いつ頃結婚できるんですかね……?」
ってきいた私の手を見て、
「んー30ぐらいだかな。いやでも君欲張りだから35ぐらいかもしれんな」
と歯切れの悪い回答をくれたおじさんだった……
★
占いの後、クラーク・キーでもしばらく粘ってみたけど、結果はさっぱりだった。
もう時刻は夜中の一時を過ぎている。
疲れきった私たちは、タクシーの中で半目になりながら帰路についた。
タクシーを降りるとき、さくらちゃんが言った。
「今日はお疲れ。あたし、もっかい『いいね!』増やす方法が他にあるか考えてみる……」
懲りないやつだ。
本当に懲りないやつだ。
さくらちゃんは、欲しいものが手に入るまで、『欲しい』と言い続ける子なんだ。
★
「いけるかもしれない…!」
さくらちゃんが、期待と不安の入り混じった声でいった。
あの占いのおじさんに会ってから、私たちの運気は本当に上がったのかもしれない。
そう、その日以来私たちのFacebookの『いいね!』が一日に100人の割合で増えていくようになった。いい
理由はファンになってくれる人のターゲットをシンガポール内だけじゃなくて、東南アジア全域に広げたこと。もっといろんな人に楽しんでもらえるように、工夫を重ねた結果だった。
なんでいままで、このマインドセットにならなかったのかが不思議だった。
道は開けるんだね、強く願えば。
おじさん、ありがとう!!