シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 120 【上海!?】
いつも元気でぷるんなゆりちゃんにだって、いろいろあったんです。。。
「あたし、上海に引っ越そうかな・・・」
ゆりちゃんがポツリといった。
「えーーーっ!?」
さくらちゃん、らんちゃん、私はビックリして目を見開く。
「ちょ、ちょっと、ど、どーゆーことっ!?」
ゆりちゃんが、シンガポールからいなくなるの??
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当時WHPと呼ばれるビザでシンガポールに滞在していたゆりちゃん。WHPの有効期限は6ヶ月だから、半年経つと、働いている会社にビザサポートをしてもらってシンガポール政府に新たなビザを発行してもらわなければいけないんだ。
2011年までのシンガポールでは、このビザを発行してもらうのは比較的簡単だった。ところが2012年から急に規制が厳しくなったの。シンガポール人口の5人に1人は外国人なんだけど、彼らに雇用を奪われるローカル(シンガポール人)の不満が溜まりつつあることを懸念したシンガポール政府が方針を変えたわけ。
そういう社会的事情が原因で、ゆりちゃん は当時働いていた会社でビザを申請したんだけど、却下されてしまった。
ビザがないとシンガポールで合法的に働くことはできない。
代案として会社は「上海支店に移動しないか?」ってゆりちゃんにオファーしたわけ。
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「そ、そんなー。中国だよ?シンガポールと違って危険なんだよ??」
「そーだよ、お給料だって現地の基準でしかもらえなくなるんだよ??」
「てか、ゆりちゃん中国語しゃべれないじゃん??」
私たちは、矢継ぎ早にゆりちゃんを説き伏せようとする。
「んー、でもあたし、人生のうち一度ぐらい中国で暮らしてみてもいいと思うんだよね…・」
ゆりちゃんは相変わらず「ぷるんっ」て雰囲気なんだけど、目がうつろでどこか疲れているみたいだった。
わからなくもない。
仕事以外でもゆりちゃんにとっては大変な時期だった。
シンガポールにきてたった半年でゆりちゃんは2度も引越しをした。どちらも、わけのわからん大家とのトラブルが原因だった。一件目のお家ではオーナーの男性が、ゆりちゃんが留守中に、部屋に勝手に入っていたらしい!キレたゆりちゃんはすぐに引越しをした。
ところが二件目のお家では、大家が勝手に監視カメラを設置していたことが判明!ゆりちゃんの行動を逐一観察していたというから気持ちが悪すぎる。
そんなこんなで、精神的に参っていたゆりちゃんに追い討ちをかけるようなビザ問題。
もしかしてゆりちゃんは「もう全部リセットして、どこか新しいところでやり直したい!」って気分になっていたのかもしれない。
でも私たちにしてみれば、Ninja Girlsの大事なメンバーであるゆりちゃんをそんなに簡単に手放すわけにはいかない!
必死の説得が始まった。