シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 127 【戻れないドア】
時が経つのは本当に早いもの。
「ねぇ、シンガポールで1番有名な日本人になってみない?」
あたしの運命を変えてしまったあの一言を、さくらちゃんが言った日から
もう一年が経とうとしていた。
シンガポールで1番有名な日本人です!
って胸を張って言えるほどではまだなかったけど、日々ローカルやシンガポールに住んでいる日本人に認知してもらえるようになってきている、
そんな感触は確かにあった。
★☆
実は、シンガポールは今ブロガー戦国時代何だよね。
ブロガーマーケティング(ブロガーを自社の宣伝や販促に起用すること)がさかんなこの国では、有名になりたいブロガーがうだるほどいる。
フードブロガー、ファッションブロガー、美容ブロガー、写真ブロガー、動画ブロガー、それを全てひっくるめたライフスタイルブロガー。
みんなブロガーコミュニティの中で必死でポジション取りをしている状態。
どのブロガーと誰が中が悪いとか、誰それはあのイベントに呼ばれたのに、あたしは呼ばれてないだとか、とにかく見た目の華やかさとは引き換えに内側は結構ドロドロだったりw
いまでこそ、そうゆう大人の事情がわかるようになったあたしだけど、この頃は、まだ鼻くそホジホジのアマちゃんだったから、これからNinka Girlsがいこうとしている場所がそんな場所だとは知る由もなかった。
皆で集まって楽しく撮影して、パーティに呼ばれてワイワイして‥‥
そんな日がずっと続いてくって思ってたんだ。
もう、この先に進むと二度とは戻れない、そんなドアを開けて入ろうとしていることに、きっとあの時さくらちゃんは気づいていたのかな?
はしゃぐ私たちを尻目に、ときどき遠くをみつめる彼女には、私たちには見えていなかったなにかが確実に見えてたんだと思う。