シンガポールで一番有名な日本人の目指し方 131 【ジレンマ】
あたしはNinja Girlsが認知されればされるほど、嬉しい反面不安に苛まれるようになった。
その理由はたった一つ、自分が銀行で働いているから。
ご存知のように、日系の銀行というのはいろんな業界の中でも最も保守的な部類に入る。
もしNinja Girlsのことが上司の耳に入りでもしたら、いいイメージは持たれないだろうってことぐらい、あたしにだってわかった。
ブログにもYoutubeにも顔を出しまくってるからバレやすいし、下手をすると、「クビ」なんてことになりかねない。
Ninja Girlsはテレビにでたりもしてたから、ローカルの同僚から
「ねぇ、もしかして君、チャンネルニュースアジアにでてなかった?」なんていわれることもたびたびあった。
嘘はつけないから、
「うん、実はでてたんだけどあんまり人に言わないでね」
って念を押していた。
Ninja Girlsをもっともっと大きくしたい、もっと有名になりたい!!
でも大きくなったらまずいんじゃないか、クビになるんじゃないか、生活していけなくなるんじゃないか。。。!?
その大きなジレンマが心の中にズシンと座り込む。
「何も失うものなんてない!人生を変えたい!」そう息巻いてシンガポールにきたあたしでも、自分の周りが少しずつ、少しずつ変化していくのをみてビビってしまっていた。
「でも、、、」
あたしは考えた。
私は一生この銀行の仕事をしていきたいんだろうか?
ただ安定しているからという理由で?
ただ名のしれた会社だからという理由で??
あたしが明日ぶっ倒れて死んでしまったとしても、次の週にはもう代わりの人材をみつけて何事もなかったように業務が進んで行くであろうそんなポジションにしがみつく理由がある??
私は右に左に振れながら、自問自答し続けた。