シンガポールで一番有名な日本人の目指し方 132 【出逢いの予感!?】
このころから仕事について他のNinja Girlsの仲間に愚痴ることも多くなってきていた。
週末はほとんど撮影に費やしていた。みんなでワイワイいいながら撮影をするのは文句なく楽しかった。でもその分、日曜の夜の『サザエさん症候群』(サザエさんが放送される時間帯になると、次の日のことを考えて憂鬱になる病気)がそれはそれは酷くなっていったんだよね。
今考えるとあの頃の私はまだまだ甘かったし、世の中を舐めていたんだと思う。愚痴ったって事態は何にも解決しないってことぐらいわかっていたはずなんだけど。
しかし仲間っていうのはいいもんだ。みんな真摯に私の悩みを聞いてくれた。
あれは、セントーサで撮影の日だった。
炎天下の中汗だくになりながらのメチャクチャ大変な撮影だったんだけど、東南アジア最大のリゾート地は、やっぱり行くだけでちょっとワクワクしてしまう。
あたしたちは、恐らくシンガポールで最もオシャレでイケてる人達が集まる場所のひとつ、『タンジョンビーチ』にいた。
イメージとしては、あの伝説のドラマ『Sex and the City』の主人公たちがバケーションででかけるビーチ、みたいな感じを想像してもらえばいいと思う。
わーーーーーぉ!!
恋愛デトックス明けのあたしには刺激が強すぎるほどのイケメンたちが裸でウロウロしているではないか!
まさに天国っ!
私はビーチソファーに寝そべってウホウホしながらイケメンたちを観察する。
しっかりサングラスをかけてね。
『なんなんだあの女!さっきから俺のこと凝視してる、怖〜〜!』
とか思われたらヤダからね。
★☆★
ビーチの奥から、またイケメンらしき一人歩いてくる。日焼けした肌に白いシャツ。レイバンのサングラス。
どこの国の人かよくわからないけど、なかなかかっこいいじゃない。
私は暫く彼を凝視していた。