シンガポールで一番有名な日本人の目指し方 134【イケメン捕獲】
さくらちゃんにモーレツに背中を押されて、私はようやく一歩を踏み出した。
ビーチで例の白い犬と戯れる『イケメン』のもとににじり寄る。
標的との距離、目算10メートル!
「キャー!かわゆーい!」
奇声ともとれる甲高い声を発しながら犬に近づき、すかさず頭を撫でた。
「やばい、ちょーかわーいー!え、もしかして、あなた飼い主?これあなたの犬?」
最初から狙っていたくせに、今初めてあなたの存在知りました、みたいな顔をして飼い主である『イケメン』の顔をみた。
「はははー、そうだよ!」
イケメンはちょーフレンドリーだった。サングラスを外すと、思ったよりイケメンじゃなかったけど、まーそんなことはどうでもいい。
彼は、右手を差し出しながら言った。
「ところで僕はマーク。はじめまして!」
そこから、立ち話が始まった。
彼はシンガポール人だった。聞くところによると、彼は何やらファッション関係のビジネスをしているらしい。
「去年、日本にトランジットで立ち寄ったんだ!でもあんまり時間がなかったからちゃんと観光はできてないんだけどね。今度はもっとゆっくり旅行にいきたいなー。」
ランちゃんも混じって3人でかなり話が盛り上がった。
★☆★☆
「じゃ、あたしたちもういかなきゃ。」
「わかった、じゃ、2人の電話番号教えてよ。今度ご飯でも。」
「もちろん!」
★☆
ビーチでの動画撮影が終わってくたくたになりながらビーチをあとにしていた私たち。
ふと振り返ると彼は白い犬と楽しそうに泳いでいた。
日に焼けた逞しい体に赤いビキニパンツが眩しかった。
日にやけた肌。。。
逞しいからだ。。。
赤いビキニパンツ。。。。。。。。。
ま、まさか。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。!!!!!!
いやな予感がした。