シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 139 【バタム】
イケメンのゲイじゃないかもしれない疑惑にパニックになった私は、必死にそれを隠しながら、そしらぬ顔で言った。
「へぇ〜意外ね。あなた、家庭を持ちたいって雰囲気でてないわよ?」
イケメンはふふふと笑った。
「そうかな?俺十代のころからずーっとはやく子供が欲しいって思ってたけど。」
彼は37歳だった。
「じゃー、なんで今まで結婚しなかったの〜?」
無邪気に聞いた私に向けた彼の顔が、一瞬曇ったような気がしたのは気のせいだったんだろうか?
「ははは、なんでだろうな〜。」
彼は笑いながらいった。
私は、少しモヤっとした気分をジュースで流し込んだ。
★☆
「ねぇ、もうすぐ2012年も終わりだよ?」
いつもの場所でいつもの四人がぐだぐだと駄弁っているときに、いきなりゆりちゃんがいいだした。
「なんかさ、また四人で旅行いきたくない?」
「旅行いきたーい!どこ行くー!?」
「やっぱあれでしょ!イケメンが多いとこでしょー!」
「ぎゃはー!イ•ケ•メ•ン!」
あっという間に盛り上がる私たち。
すったもんだの末、行き先は安くて楽しめそうなインドネシアのバタム島に決まった。
とってもアドベンチャラスな旅になるとはつゆしらず、私たちは嬉々としてバタムに向かった。