シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 8 【ついにシンガポールへ 1】
<はじめての方はまずは から>
そのメールから4ヶ月後の、2011年8月。
私は初めてシンガポールの地を踏んた。
チャンギ空港で出迎えてくれたのは、ほのかな甘い南国の香り。
照りつける太陽と、タクシーの窓から見える無数の椰子の木。
ユニークな形のビルがひしめく近未来的な街並みも壮観だけれど、
ひとつ裏通りに入ると、
古きよき時代を思い出させるかのようなノスタルジックな建物が並ぶ。
黒人、白人、黄色人種、インド系、中東系‥‥
行きかうのはありとあらゆる人種の人々。
何かドラマティックで素敵なことが起こりそうな予感がするこの街と、
私は一瞬にして恋に落ちた。
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今回、私がシンガポールを訪れた理由は2つ。
1つ目は謎の「幸せブログ」の筆者に会うこと、
もう1つはいずれシンガポールで生活するための仕事を見つけること。
10日足らずの滞在でどこまでできるのか、自分でもわからなかったけど、
とにかく来たからにはやるしかない!
不安と期待で胸をいっぱいにしながら、
私は真新しいパスポートをギュっと握りしめた。
「もう死んでしまいたい」と思ったあの日から、
私は少しずつ決意を固めてきたのだ。
「どうせならもう死んだと思って、なんでもやろう。
恥をかいても、見苦しくても、
自分のやりたいことをやろう!」
★
シンガポールに着いて、二日目の夜。
ついに、その謎のブロガーとの待ち合わせの時がやって来た。