シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 62 【男性目線】
<はじめての方はまずは目次から!>
この頃になると、私たちの生活はNinja Girls一色に染まってきていた。
寝てもNinja、起きてもNinjaって感じ。
今まで恋愛以外のことにここまでのめり込んだことがなかった私には、
新鮮な毎日だった。
ブロガーとして一番気になるのはやっぱり、
「どうやってアクセス数を上げていくか?」ってこと。
私たちがスポンサー様にご協力頂いて動画をつくるのも、
フードレビュー企画をしたのも、
全てはアクセス数を増やすため。
だってあたしたち、
シンガポールで一番有名な日本人にならなきゃいけないんですもの!
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でも、人気ブロガーへの道は、正直そんなに平坦じゃない。
常に新しいアイデアを出して、それを実行しなきゃいけないのだから。
そして、それを継続するのが何より大事なんだよね。
とは言え、時にはうまくいかない企画の見極めも大切。
って書くとなんだか格好いいけど、私たちはやっぱり、
「おバカなことをおバカに追求するおバカなブロガー」
っていうのが結局のところ自分たちのカラーなんだと思ってる。
★
この頃アクセスの伸び悩みに苦しんでいた私たちは、
いつもいつも24時間体制で打開策を考えていたっけ。
その日もたまたまさくらちゃんとバーで飲んでたんだけど、
やっぱり話題は「アクセス数がどうやったら上がるか?」ってことに終始してた。
話し合いが盛り上がるにつれてお酒も進んで、
呂律があやしくなってきたその頃‥‥
「Hey girls、楽しんでるかい?」
ん?ナンパ?
顔を上げると、そこには男性2人組。
「ハロー。実はこいつ昨日、彼女にフラれてしまったんだ。
君たちみたいなかわいいジャパニーズガールにね。
可哀想だろ?
だから僕たちと一緒に、ちょっと飲んでくれないかな?」
本当か嘘かわからない口説き文句をきっかけに、
私たち四人は一緒のテーブルで飲むことになった。
★
話を聞くと、どうやら彼女にフラれた話は本当らしかった。
ロンと名乗るその男性は屈託なく、
「しょうがないよ。また次を探すさ」と笑う。
聞くと彼は、シンガポールで一番有名な男性誌の編集部にいるらしい。
シンガポール人でこの雑誌を知らない人はいないんじゃない?
ってぐらいの、有名な雑誌。
この雑誌のグラビアに出るのがシンガポールのモデルの大きな目標であり、
この雑誌のモデルとデートするのがシンガポール男子の夢‥‥っていう、
言わばプレイボーイマガジンのシンガポール版みたいなものね。
そんな雑誌を作っているだけあって、女子とのスマートな会話術も心得ていて、
普段はナンパなんて完全に無視してしまう私たちも大いに盛り上がっちゃった。
途中からはどこからともなく編集長もやってきて、
みんなで和気あいあいと楽しくお話ししていたの。
そしてその時、さくらちゃんにまた「神」が降りてきたらしい!
「そーだっ!
男性目線を意識した記事もやってみればいいんだ!
きっとそれでアクセスも上がるでしょう!!」
でも、男性目線を意識って‥‥
と言いかけた私に、さくらちゃんがニヤリと笑った。
「決まってんでしょ。脱ぐのよ。」
えぇぇぇーっ!?
つつついに、Ninja Girlsが脱ぐ!?