シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 96【次の一手】
ある日のこと、さくらちゃんに元気がない。
どうしたんだろう。何があったのか聞いた方がいいの?そっとしておいたほうがいいの?なんて気をもんでいると、さくらちゃんがいきなりキィキィ声でこんなことを言い出した。
「くやぢー!くやぢーよー!シンガポールブログアワードのファイナリストに残れなかったよー!!」
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シンガポールブログアワードっていうのは、今、シンガポールで最も権威のあるブロガーコンペといっていいと思う。
色々な部門があるの。例えば「ベストファッションブログ」部門、とか、「なんじゃこりゃ!(What the hell)」部門、とかいろんな部門ごとに賞を競うわけ。
これで、優勝でもした日には、ブロガーとしての知名度もステイタスもググっと上がること間違いなしなんだよね。
さくらちゃんは、密かにこのシンガポールブログアワードを狙ってたわけ。優勝は無理でも、せめてファイナリストぐらいには残りたい!って。
でも、結果は残念なことに予選敗退。
さくらちゃんの悔しがりかたは尋常じゃなかった。
悔しい!悔しい!!と悶絶している。
私は思った。
さくらちゃんは、私がNinja Girls解散!?なんてあらぬことを考えていた間だって、ずーっと前だけを向いてたんだな、って。
そのひた向きさをみて、私はまた、少しだけ自分を恥じた。
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悔しいを連発していたさくらちゃんが、突然ドヤ顔をする。なんだか空気が張り詰める。
「来年は絶対にブログアワード取ってみせる!(しばし考え中) うん、Vlogger部門(主に動画をコンテンツにしている) を狙おう!」
悔しさをバネに伸びるってこういう人のことを言うんだろうね。
「と、いうわけでNinja Girlsはこれから、週に三本動画をアップしまーすっ!!!」
耳を疑った。
えーーーっ!?
ちょ、ちょっとまったぁぁぁ!
あ、あんた、メンバー2人も減ってタダでさえカツカツだってゆーのに、なに寝言みたいなこと言ってんのよ!
週に3本の動画なんて悪い冗談。
無理だよ。
さくらちゃんは静かに言った。
「やってみないとわからない。やろう。」