シンガポールで1番有名な日本人の目指し方 111 【モトカレ】
私はYou Tubeのチャンネル登録者(サブスクライバー)を増やすべく、知っている限りの友人、知人にお願いのメールを送った。
そう、あの人にも……
★
「僕が君達のYou Tubeのサブスクライバーになってないのは、
君たちのことが嫌いだからってわけじゃないんだよ。」
メッセージを送ると、すぐにそんな返信が返ってきた。
「ただ、君の事を思い出してしまって、辛いんだよ。」
そう私はエディにもお願いのメールをしたのだ。
自分から別れを切り出したくせに、こんなときだけ調子よくエディにお願いするなんて、
嫌な女だと思われるかもしれない。
実際、嫌な女だと自分でも思う。自己中心的だし、思いやりの無い行為だったとも思う。
それでも私は、お願いした。
エディは、しぶしぶサブスクライバーになってくれた。
あぁ、エディやっぱりいいヤツだなぁ。あんな別れ方しなければ、今もいい友人でいられたかもしれない……なんて思ったのもつかの間、エディが反撃を開始した。
「君達のサブスクライバー、まだたった37人しかいないのかい?もっと多いと思ってたよ。(つばき心の声:おっとー、反撃開始か!?」
「Ninja Girlsのビデオは実際あんまり面白くないというか……興味をそそられないよね。君達もうちょっと動画の内容を考えた方がいいよ。」(つばき、心の声:てゆーか、そのビデオ今まであんたが撮影してたじゃん。)
「なんかサブスクライブしてまで、見たいと思わせる何かが欠けてるんだよね……」(つばき、心の声:だからぁ!そのビデオ今まで撮影してたのあんただから!指示してたのもあんただから!)
「あ、俺何か言い過ぎた?ごめんごめん。そんな傷つけようと思っていったわけじゃないから気にしないでね!」(つばき心の声:ほんと嫌な男)
黙って聞いていれば、まぁ次から次へと出るわ出るわ、嫌味の数々。
うわー、やべー、私この人にすごく恨まれてるんだろなー、
くわばらくわばらと思いながら私は何も反論しなかった。
★
確かに彼の言ったことにも一理ある。Ninja Girlsのビデオには何かまだ欠けているものがあるのだ。
彼の反撃が和らいだところで私はこう返した。
「意見を言ってくれて、ありがとう。
確かにNinja Girlsの動画には欠けているものがあるのかもしれない。ところで、もっと興味深い動画を作るためのアイディアってある?」
私の、冷静な反応にひるんだエディはゴニョゴニョと
「個人の体験とか……語学とか……」といいながらフェードアウトしていった。
私は誓った。もう誰になんて言われても全然動じるもんかって。
ぐぅの音も出ないぐらい有名になってやるんだから!って。
そして思ったよ。
あ、これ、「ハングリー精神」ってやつか。
こういう感情もなかなかいいもんだなって。