シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 47 【雑誌やTVの中のひと】
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コラボレーション決定!の知らせを受けて、
私たちはお気に入りの洋食屋さんに集まった。
大手柄を上げたらんちゃんに、
さくらちゃんがご馳走するという名目で。
エリムさんのことはあやさんも知っていたようで、
コラボ決定を知ってとっても喜んでた。
彼女はもともとストリートファッションが大好きな子だったから、
77thStreetとコラボするなんて、まさに夢の実現だったみたい。
さくらちゃんは、
喜びのあまりピーコみたいな声になってらんちゃんを褒めちぎってた。
「あんたっ、すごいじゃないのっ!
77thStreetのエリムさんにその場で承諾取り付けて来るなんて、
すごいわぁーーー!
できる子!あんた、できる子!」
口調が若干オネエっぽくなっていることにも気付かないほど、
さくらちゃんは興奮してたらしい笑
らんちゃんは照れたように笑って、
でも思い直したように、
「ううん、さくらちゃんが作ってくれた資料のおかげだよ。
私は何にもしてないもの。
次のミーティングの時までに、
今度は詳しい企画書を作ってもらってもいいかな?」
と言った。
いやー、さすがらんちゃん。
しっかりしてる。
「作るわぁー!なんだって作るわぁー!がんばるわぁー!」
さくらちゃんは夢見心地でそう呟いていた。
★
わたし?
私は、何がなんだかわからず、
とりあえずニヤニヤしてた。
実は、成功してる起業家とか、女社長とか、
私の人生からはあまりにかけ離れていて、
いまいちピンと来なかったんだ。
だってそんな人は、
テレビや雑誌の中でしか見たことがなかったんだもん。
現実味が湧かない。
そもそもそういう人って、
怖かったり、厳しかったり、冷たかったりするんじゃないかって、
ちょっといぶかってた。
でもね、そんな私の心配は杞憂だったって、
すぐにわかることになるんだけど。