シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 68 【祝杯】
さすがのさくらちゃんも、FHMの撮影は緊張したみたいだった。そりゃ、そうだよね。
素人のモデルだから、なんて言い訳、読者には通用しない。
本物のモデルと同じクオリティを求められるんだもん。
しかも、それだけじゃない。グラビアといっしょに、なんとさくらちゃんのインタビューまで雑誌に載ることになったんだ。英語でインタビューだよ!すごいよね!
それでも、彼女はそれをやってのけた。たった1人でね。
実際グラビアが出るのに2ヶ月ぐらいかかるんだけど、そんなの待ってられな一い!って早速祝杯をあげに出掛けた。
「ついに、ついに!FHMだよー!」
「ぎゃー!どーするー!?」
「もしかして、これでNinja Girlsが超有名になっちゃったら!?」
妄想はどんどん膨らむ。さほどお酒が強くない私たちも
その日に限っては、カクテルをガブ飲み。すっかりいい気分になっていた。
ふと、携帯をみると着信が5件もある。
エディだった。
実はこの頃の私は、あまりエディと一緒に過ごす時間がとれなかった。
仕事の後や、週末はNinja Girlsの撮影が目白押し。
そうでなくてもメンバーとただ遊ぶのが楽し過ぎて‥。
私は慌ててエディに電話を掛け直す。
5回も連続でかけてくるなんて、
さすがに何かあったのかもしれない!
2回目のコールで彼はすぐ電話にでた。
「ハロー、エディ。
ごめん、今バーで飲んでて、ぜんぜん電話に気づかなかった!」
私が謝ると、彼は一言。
「今どこにいるの?」
かなり不機嫌そうな声。そして、
「今から迎えにいくから、そこで待ってて。」彼はそれだけ言うと、すぐに電話を切った。
私は結構酔ってたんだけど‥‥それでもやばい予感がした。