シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 71【不安で不安で...】
あの暴走事件があってから、さくらちゃんは、絶対にエディの車に乗らなくなった。
当たり前だけど、私もエディの車に乗るのが怖くて仕方なくなった。
また、何かの拍子に怒らせたら、エディが暴走するんじゃないかと思って‥‥
私が第三者だったら、「そんな男となんかさっさと別れなよ。」って呆れ顔で言うかもしれない。
実際さくらちゃんにも、言われた。
「あくまで友達として聞くけど、エディとこのまま続けていくの?」って。
私だって、わかってたよ。それでも別れるってそんな簡単じゃないよ。
理由はいろいろあるけど、エディがNinja Girlsのフォトグラファーをやってくれてた、っていうのは一つの要因。
なんだかんだで、プロのフォトグラファーの撮った写真や動画は、素人のそれとは比べものにならない。私はずっとそう思っていた。
もしエディと別れたら、彼とNinja Girlsの関わりも同時に途絶えることになるだろうし。そうなったら、Ninja Girls の存続が危うくなるんじゃないかって‥‥
私は、Ninja Girlsという夢を失いたくなかった。
さくらちゃんは、私の気持ちに気づいてたんだろうな。ある日何気なくこう言ったんだ。
「Ninja Girlsは、エディ抜きでもNinja Girlsなんだからね。もし、そのことで悩んでるんだったら、心配しなくていいから。」
さくらちゃんは、すべてお見通しだったんだろな。それでも私は不安で不安で仕方なかったんだ‥‥