シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 26 【ストリートスナップへGO!】
<はじめての方はまずは目次から>
2人でアイスクリームを食べていたら、
いつものように唐突にさくらちゃんが言い出した。
「ねぇ、”StreetAngels@SG”って知ってる?
1分毎に違う美女の写真が登場して現在時間を教えてくれる、
某時計サービスのシンガポール版みたいなアプリなんだ。
シンガポールでストリートスナップなんてあんまりやってないから、
その意味でも面白い試みだと思うんだよね。
こういうのに載せてもらえれば、
ちょっと美人ブロガーっぽく見えちゃう気がしない?
しかもこれ、日本人フォトグラファーが中心になってやってるらしいよ。
よし!ストリートスナップに参加して撮ってもらおう!」
さくらちゃんのいきなりの提案に慣れてきていた私は、
いつものように内容がよくわかってないうちに快諾した。
★
その週末、さくらちゃんと私は、
オーチャード通りから一本入ったところにあるAKB劇場付近にいた。
今日の撮影がこの辺りで行われているらしいとの情報だけを頼りに、
それらしき場所を探す。
ほんとにさくらちゃんの情報網はすごい。
どこからともなくこんな情報を仕入れてくるんだから!
しばらく探し回った後、
さくらちゃんが突然大きな声で叫んだ。
「あれじゃないっ?!」
指差す方角には、ひとりのフォトグラファー。
プロ顔負けのポージングでニッコリ笑う女の子を、
熱心に撮影している最中だった。
私にとって、あんな風にプロの前でポーズをして写真を撮ってもらうのなんて、
クラーク・キーでエディに撮ってもらったのが初めてだった。
これからはいろんなフォトグラファーに撮ってもらうことになるのかもなぁ、
なんて思うとドキドキしてしまう。
そうこうしているうちに、撮影が終わったのか、
フォトグラファーがひとりになるタイミングがあった。
その瞬間、さくらちゃんが駆け出す。
「さぁ、行くよっ!」
私が、え?と思う暇もなく、
さくらちゃんの背中は遠ざかっていった。
まるで狙った獲物を決して逃さない女豹のような素早さで、
さくらちゃんはシュルシュルとそのフォトグラファーに近づき、
まるで10年来の知り合いであるかのように声をかけ始めた。
「どうも、こんにちわー!
あのー、良かったら私たちの写真も撮ってもらえませんかぁぁ?」
さくらちゃんのあまりの突進振りに、
フォトグラファーも少し面食らったようだった。
(てゆーか私も面食らったわ!w)
近くで見ると、なかなか端正で凛々しい顔立ちをしている。
彼は一瞬だけビックリしたような顔をみせると、
すぐに笑顔で
「もちろん。ぜひ撮らせてください!」
と、爽やかに言ってくれた。
(ふぅ、助かった。)
それがStreet Angelsのフォトグラファー土屋さんと、
私たちNinja Girlsとの出会いだった。
※StreetAngels@SGを見てみたい方はこちらからどうぞ