シンガポールで一番有名な日本人の目指しかた 14 【デビューへの下準備】
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さて、忍者の第一回活動テーマは決まった。
「誰よりも派手なドレスを着て、
週末のクラークキー(シンガポール一のナイトスポット)を歩いて、
みんなの目線を独り占め!
それをブログにアップしよう」
これを実行するにあたって、
まずはものすごく素敵で目立つ衣装を手に入れなければ!
★
さっそく私たちは買い物に出かけた。
目指すは「ブギスストリート」。
ここはアーケード街を中心としたショッピングエリアで、
「安くてかわいい服」が手に入ることで有名な場所だ。
私たちはショッピングエリア内の店を一軒ずつ、くまなく探していく。
日本から来て、そう日が経っていない私から見ると、
「ん?これいいんじゃない?」と思えるど派手なドレスがたくさんあった。
全身がミラーボールになったようなキラッキラの服もたくさんあったけれど、
さくらちゃんに見せると瞬殺で却下された。
彼女いわく、
「手ぬるい!
こんなんじゃ、その他大勢のシンガポールの女の子の中に埋もれちゃう!
全然目立てない!」のだそうだ。
サクラちゃんのおめがねにかなうものを見つけられないまま、
足を棒のようにしながら探し回ること3時間、
ついに私たちは、セクシーランジェリーショップで見つけてしまった!
Ninja Girls初舞台にふさわしい、最高の衣装を。
それは、セクシー着物風コスチューム。(写真参照)
これだったら、目立つ!
日本人っぽい!
セクシー!
これならきっと、
シンガポール中のパーリーピーポーが集まる週末のクラーク・キーでも
きっと目立てる、みんなの視線を独り占めできる!
そう直感した私たちは、迷わずそれを購入した。
★
決戦の金曜日がやって来た。
私は仕事が終わるとすぐにその足で、さくらちゃんの家を目指した。
お家に着くと、さくらちゃんはすでにもうメイクを始めていた。
「今日のメイクのテーマは‥‥じゃじゃん、アゲ嬢~~でーす!!」
とか言いながら、
みるみるうちに本物のアゲ嬢‥‥ぽい感じに仕上がっていっている。
28歳のアゲ嬢。(シンガポール在住)
くぅ~~~~っ、がんばってるじゃないかっ!
泣けるぜっ!!!!!
さくらちゃんの頑張りを目に焼き付けた後、
さっそく私も準備に取りかかった。
会社に行く時にする控え目メイクと違って、
今日は思いっきり派手で、ゴージャスで、ぶっ飛んだメイクができる。
そんな遊びあるメイクをするのなんて、大学生の頃以来だ。
久しぶりに自分の顔をキャンパスに見立てて、アートを描いてみる。
けっこう楽しいじゃん!
1時間後、芸者風アゲ嬢(アラサー)が2体完成した。
なかなかの出来栄え。悪くない。
てかかなり楽しい!キャピ♪
浮かれ気分でいそいそと荷物をまとめ、
さっそく出発することにした私たち。
でも、私は気づいていなかった。
有名になるためには、絶対に乗り越えなければいけない壁がある、
ということに。
はからずとも私は、
さくらちゃんの家のドアを開けた途端、
さっそくその壁に直面したのだった。